スペインのカディス

カディスは、アンダルシア州カディス県のムニシピオカディス県の県都である。スペイン南西部の港湾都市として重要な役割を果たしている。カディス司法管轄区に属する。大西洋に面するカディス県の海岸はコスタ・デ・ラ・ルスと呼ばれる。

紀元前10世紀頃、地中海交易で活躍していたフェニキア人が築いた拠点がカディスの起源とされ、フェニキア人によってガディルと称された。当初はイベリア半島の一部ではなく、半島から離れた小島だったと考えられている。土砂の堆積などによってやがてイベリア半島と結びついた。古代ギリシア人にもカディスは知られており、彼らにはガデイラとして記されていた。その後ローマ帝国西ゴート王国の支配を経て、イスラム勢力による征服を受けた。しかし13世紀半ば、レコンキスタ運動のもとカスティーリャ王国のアルフォンソ10世がイスラム勢力からカディスを奪い、再びキリスト教勢力の統治下におかれた。その後、カスティーリャ王国アラゴン王国が合併してスペイン王国が成立したことにともない、カディスはスペイン領となった。