リンドバーグ愛児誘拐事件

1932年3月1日(木)午後20時から22時頃 初の大西洋単独無着陸飛行に成功したことで有名な飛行士チャールズ・リンドバーグの長男チャールズ・オーガスタス・リンドバーグ・ジュニア(1930年生 当時1歳8ヶ月)がニュージャージー州自宅から誘拐される。現場には身代金5万ドルを要求する手紙が残されていた。10週間に及ぶ探索と誘拐犯人との身代金交渉をしたが、5月12日自宅の邸宅付近でトラック運転手が長男が死亡しているのを発見した。

2年後、1934年身代金の金券がガソリンスタンドで使用され、ドイツ系ユダヤ人移民のリチャード・ハウプトマンが浮かび上がった。彼の家には身代金の1万2千ドル以上の金券と拳銃が隠されており、これは仕事仲間のドイツ人イシドア・フィッシュから預けられたものだとハウプトマンは話していた。後にフィッシュはドイツで死亡していて、渡航の際に金券を使用している。リンドバーグが身代金を支払った後に、ハウプトマンは大工の仕事を辞めている。ハウプトマンが犯人として注目されると、目撃証言などが報告されている。なお、フィッシュとハウプトマンは詐欺を働いていた過去があった。

アガサ・クリスティの小説『オリエント急行の殺人』の序盤で登場する誘拐事件は本事件を参考にしているとされる。