中世アラブのシャトランジ界

中世アラブのシャトランジ界 このシャトランジは大衆に人気があり、ハフス、アル・アドリー、アル・ラーズィ、アル・スーリー、アル・ラクラーク、医師のアブール・アッバー、アス・サクラズィー、アル・ラブラーク、アブ・イサーク・イブラーヒムなどの名人達が台頭した。その他のマスターや愛好者にいたっては枚挙に暇がない。  またアラブ世界では棋力によって五段階の階級が定められ、最高の級は「アリーヤ」と呼ばれ三名が定員で、アル・アドリー、アル・ラーズィ、アル・スーリーといった名手がその地位に就いた。二番目の級は「ムタカーリバート」といい「アリーヤ」に十局中二~四局勝つ事でこの階級になる事が出来、十局中七局以上勝てれば「アリーヤ」になる資格が生じる。それ以下は順に大臣またはフィルの駒落ちで三番目の級、ファラスの駒落ちで四番目の級、ルフの駒落ちで五番目の級となるが、名称は不明である。